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【助産師解説】避妊に失敗したかも!どうすればいい?【アフターピルと中絶】

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こんにちは、らんまるです*

 

 

今回のテーマは

「避妊に失敗したときどうすればいい?」

というお話です*

 

妊娠を望んでいないときは

“避妊することが大前提”として

思っておいていただきたいんですが…

 

それでも

「気がついたらコンドームが外れていた…」

「途中でコンドームが破れちゃってた…」

「もしかしていま避妊失敗したんじゃ…?」

という場面が、あるかもしれません。

 

そういう事態になったとき

どう対処すればいいのか

を、シェアしていきたいと思います(^^)

緊急避妊薬“アフターピル”を内服しよう

アフターピルってなに?

学生さんだったり

経済的な理由だったりで

「いま、妊娠できるタイミングではないな」

というとき、

緊急避妊できるのが“アフターピル”です。

 

いま、日本でできる避妊法は

1)低用量ピルの内服を常にすること

2)コンドームを使うこと

の2つがメインになってくるかと思います。

 

その2つに共通するのは

“これからの”性行為に対する避妊法。

 

それに対して

アフターピル(緊急避妊薬)というのは

唯一“過去に行った”性行為に対する避妊法です。

アフターピルはいつ飲むの?

アフターピルの飲み方には、

とっても重要なルールがあります。

 

1番重要なのが

性行為があってから72時間以内、

丸3日以内に内服する必要がある

とういうことです。

 

これは、日本で主に処方される緊急避妊薬

“ノルレボ”というお薬についてなんですが

(2011年から緊急避妊薬“ノルレボ”が日本でも認められるようになりました)

避妊の効果が高い確率で現れるには

3日以内というタイムリミットがあります。

 

また

内服する時間は早ければ早い方が

避妊の効果は高くなります。

12時間~24時間以内に内服すれば

99%以上の確率で避妊ができるといわれています。

 

72時間を超えてしまってから

「やっぱり緊急避妊したい!」と思っても

効果が得られないので

アフターピルの内服のタイムリミットは

72時間以内!

ということを覚えておいてください。

アフターピルはどこで買うの?

アフターピルを買うには

婦人科に行く必要があります。

日本で買うには、病院を受診して

医師に処方してもらう必要があるんですね。

 

海外だと薬局など

市販で買えたりする国も多いんですが、

日本では薬局では買えないので

病院に行く必要があります。

病院では問診(話す)だけで

内診などの診察はありません(^^)

 

そして、このお薬…結構高い(*_*)

診察料とかも含めると

だいたい1万5千円前後かかります。

 

ただ

このお薬にもジェネリックのお薬が登場!

 

病院によっては、診察料を含めて

8,000円から1万円いかないくらいと

若干安くなることもあります。

 

また、アフターピルの学割がある

婦人科なんかもあります。

 

金銭的な面で

アフターピルはちょっと難しいかも…

と悩んでいる方は

そういった病院探しをしてみるというのも

1つの方法かな、と思います。

 

また

近くに婦人科がなかったり

周りの目が気になって

なかなか病院に行くのは…という方は

オンライン処方という形で

処方してくれる病院もあったりします。

 

オンライン処方とはなにか、というと

インターネット上で処方してもらい

処方されたお薬を家に郵送してもらう

という方法です(^^)

 

ラインのやりとりをするような感じで

お医者さんとやりとり(問診)をして

処方してもらいます*

オンライン処方でアフターピルを買うときの注意

オンライン処方でアフターピルを買うとき

注意したいのが

“ピルの通販とは別”ということ。

 

見たことがある人もいるかもしれませんが

最近よくあるのが“ピルの通販サイト”です。

 

しかし
非常に危険なので使わないで!!!(+_+)

 

パッと見は「安く」「手軽に」

手に入れることができそうで

めちゃめちゃいいじゃん!

と思うかもしれませんが…

 

そういった通販で届くお薬が

偽物だった!!!

というケースが、実はたくさんあります(*_*)

 

魅力的に見えるかもしれないんですが

偽物のお薬の可能性があり非常にキケン

 

通販は使わないようにしてください!

 

また

性被害にあってアフターピルが必要

というケースの場合。

警察に届けることで、

自己負担は一切なくアフターピルを

処方してもらうことができます。

 

「被害にあってアフターピルが必要…」

「でもお金がなくてどうしよう…」

というときには

そういった方法で、お金がかかることなく

アフターピルを使うことができるので

頭の片隅に入れておいていただければな、と思います

アフターピルが効いたってどうやって分かるの?

“アフターピルの効果がちゃんとあったかどうか”

つまり、“妊娠していないかどうか”

結果が分かるのは

次の生理がちゃんときたかどうか、です。

 

生理がくれば、妊娠しなかったということ。

 

もし、予定日になっても生理がこなかったら

妊娠検査薬で調べる必要があります。

 

が。確かめるのも、怖いですよね(*_*)

 

でもやっぱり

早く知った方がいいので

きちんと妊娠検査薬を使ってほしいと思います。

 

アフターピルのタイムリミットである72時間を

過ぎてしっまったときも同じです。

 

使うタイミングとしては

次回の生理予定日から“1週間過ぎて”から。

(その前に調べても正しい結果は分かりません!)

 

もし

生理が来るのがいつもバラバラで

次の生理がいつ来るかなんてわからない

という場合には、

性行為があった日から3週間過ぎてから

使うことができます。

 

ドラッグストアなどで妊娠検査薬を買って

検査をしてみてください*

(詳しい妊娠検査薬の仕組みと使い方については、別記事:妊娠検査薬についても参考にしてね)

 

検査の結果、妊娠反応が陽性の場合は

「産むか」「産まないか」の選択を迫られることに

なってきますが…

 

いま、妊娠したら困ってしまう

というタイミングで妊娠が分かるのは

本当に不安で心細い、ですよね。

 

「どうしよう…」

「誰に相談したらいいだろう…」

「どうしてあのときしっかり避妊できなかったんだろう…」

 

時間がたつにつれ不安は大きくなるけど

どうしたいいか分からなくて

身動きがとれない…

 

そんな学生さんや未成年の方も

いるかな、と思います。

 

ただ

結果を後回しにしてもいいことはなくて

“産む”にしてもいろいろな準備が必要になってきますし

“産まない”とういう選択をするにしても

早くに処置をすることで

心にも体にも影響が少なかったりします。

 

妊娠を望んでいないときは
1)きちんと避妊をすること
2)もし避妊に失敗してしまったら、アフターピルをとにかく早く!(遅くとも72時間以内に)内服すること
3)もし72時間のタイミングを逃してしまったら、きちんと妊娠検査薬を使って調べてみること

が大事になってくるかな、と思うので

自分の大切な体のために

ぜひ覚えておいてください(^^)

人工妊娠中絶という選択

人工妊娠中絶とは

望まない妊娠の場合、

産まないという選択をする方もいますね。

 

そのとき、早い段階で

医療処置によって子宮から出したり

お産によって子宮から出すことを

人工妊娠中絶といいます。

 

人工妊娠中絶は

母体保護法という法律によって

母体保護、つまりお母さんの体を守る目的で行われます。

人工妊娠中絶の適応

人工妊娠中絶の適応(条件)は2つあります。

1)妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
2)暴行もしくは脅迫によって、または抵抗もしくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの

 つまり
1)妊娠によって、お母さんの体に健康への悪影響が出る
2)合意のない性行為

 

母体保護法では

この2つのどちらかに当てはまると

中絶をしていい、と定められています。

人工妊娠中絶する方法

中絶する方法は妊娠週数によって違います

 

 <妊娠11週6日まで>

子宮内膜除去術という手術になります。

日帰りや短期間の入院で

麻酔をし、本来閉じている子宮の入口を開いて

子宮の中のものを取り除く、という手術です。

 

<12週から21週6日まで>

手術ではなく、お産になります。

体に負担がかかるので数日間の入院が必要になり

本来閉じている子宮の入口を開いて

薬で人工的に陣痛を起こし、“産む”んですね。

 

お産にかかる時間は予測できないので

入院期間には個人差があります。

 

そして

22週からの人工妊娠中絶は認められていません。

 

なので

人工妊娠中絶を考えている場合は

お母さんの体のために

なるべく早く検討する必要があります。

 

11週6日って

思ってるよりも結構早いかな、と思います。

 

生理がこない!じゃあ妊娠検査薬で調べてみようと

妊娠が分かったタイミングが

“生理から1週間後”だとして

手術の人工妊娠中絶を選択する場合

妊娠が分かったタイミングから

約6,7週間。約1ヶ月半です。

 

意外と猶予あるな、と感じる方も

多いかと思いますが

 

・自分で考える時間

・パートナーに相談する時間

・未成年の場合、ご両親に相談する時間

・病院を調べる時間(どの産婦人科でもできるわけではありません。また、週数によって受け入れていない病院もあります)

・病院で手術が決まった日まで待つ時間予約状況にも左右されます) 

 

これを考えると

思っているよりも早く話し合い、

決めていかないといけないかな、と思います。

おわりに

手術やお産は、命がけです。

こんなことを聞くと

そんなおおげさな、とか

こわい、と感じるかもしれませんが

手術やお産が命がけなのは、事実です。

 

“産まない”という選択をした人は

心にも体にも、本当に大きな負担がかかります。

現場では、それに涙する女性は少なからずいますし

受けたくて受けている人はいないです。

 

一方で

何年も不妊治療を頑張っても授からない方もいます。

 

ダイレクトに現場をみて

“妊娠は、嬉しいことであってほしいな”

“妊娠で、困ってほしくないな”

“妊娠が分かったことで、手放しで喜べる世界がいいな(^^)”

と、心から思います。

 

そのためにも

“妊娠を望まないなら正しく避妊してほしい”

アフターピルという選択と制限時間を知ってほしい”

相手を大切に思いやった性行為であってほしい”

と思います(^^)

 

そして

”産まないという選択”を

責められる人は誰もいません。

 

その選択を、赤の他人がどうこういうものではないし

「中絶=悪いこと」とひとくくりにできるものではない

と、私は思います。

 

いま、まさにつらい選択を迫られている方も

いるかもしれませんが

大切な自分の体を、1番に考えて!

 

命をかけて産むのも

人生を通して育てるのも

おかあさん自身だから

 

自分の決断を、1番受け止めてあげて

できそうなタイミングで信頼できる人に話して

少しずつ心を軽くしてほしいです。

 

そして、周りの方も

いろいろな想いでその決断をしたということを

受け止めてあげられたらな、と思います!

 

では

大切な大切なことだから最後にもう一度。

何回も小姑のようにいってますが!( ゚Д゚)

 

妊娠を望んでいないお嬢さん方・・・

きちんと避妊しようね!!!

 

それでは今日はこのへんで

自分の体を大切にして

今日も素敵な1日をお過ごしください(^^)/