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【助産師解説】ピルはなぜ避妊効果があるの?ピルの仕組みを知ろう!

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こんにちは、らんまるです*

この記事では、ピルユーザー助産師らんまるが「ピルの避妊の仕組み」について解説していきます(*^。^*)

 

みなさん、ピルという薬にどんなイメージがあるでしょうか?

 

なんとなく「怖い」「副作用がひどい」という、ネガティブなイメージが大きい方も多いんじゃないかな、と思います。が!

 

ピルは、仕組みやメリット・デメリットをよく理解して使っていけば、女性の生活を楽にしてくれる、すごく役立つ薬だったりもします\(^o^)/

 

この記事では、

①そもそもピルってどんな薬なの?

②なぜピルを内服すると避妊効果があるの?

をお伝えしていきます*

ピルはなぜ避妊効果があるの?ピルの仕組みを知ろう!

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ピルとは?

そもそもピルってどんな薬かというと、「女性ホルモンを含んでいる薬」です。

「ピル」と一言で言っても、実はものすごく種類がたくさんあります。

 

たとえば・・・

マーベロン、トリキュラー、ファボワール、シンフェーズ、ラベルフィーユ、アンジュ、ヤーズ・・・

これらのお薬は、すべて「ピル」と呼ばれるお薬です。

これらすべての薬が、「女性ホルモンを含んでいる薬」になります。

 

それぞれの薬の違いは、女性ホルモンのバランスの微妙な違いです。

女性ホルモンというと、「エストロゲン」「プロゲステロン」というものがありますが、このホルモンのちょっとしたバランスが、それぞれの薬によって少しずつ異なっています。

ピルの内服方法

女性ホルモンが含まれている「ピル」という薬は、基本的に「毎日1錠・決まった時間に飲み続ける」内服方法になります。

 

女性ホルモンを内服で摂取し続けることで、

避妊をしたり

生理痛を軽くしたり

・月経前症候群(PMS)といって、生理前の不調を軽くしたり

という効果があります(^^)

ピルの購入方法

日本では、ピルは薬局で買うことはできません×

産婦人科に行って、医師から処方をしてもらわなければならない薬です。

ピルの対象・年齢

基本的には、生理が始まっていれば、10代から使うことができる薬です。

しかし

タバコを吸っている方・年齢が高齢な方は、「血栓症」という血の塊ができてしまうリスクが高いため、処方することができない場合もあります。

 

血の塊ができると、その塊が血液に流されて、“塊のまま”重要な臓器である「肺」や「脳」や「心臓」に到達しまうキケンがあります。

そうすると、肺や脳や心臓の血管がつまってしまい、ある日突然「肺塞栓症」「脳梗塞」「心筋梗塞」という深刻な事態になってしまう恐れがあります。

 

喫煙者は、しっかり申告をして産婦人科の先生に相談のうえで、処方してもらいましょう!

なぜピルを内服すると避妊効果があるの?

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ピルを内服すると、3つの体の変化が起こります

1「排卵」をとめる

2「子宮内膜」という子宮の内側の膜が、分厚く育つのを防ぐ

3「子宮頸部にある粘膜」の性状をねばっこくしてくれる

 

この3つの作用のおかげで、ピルは避妊としての効果を発揮します*

1つずつ見ていきましょう(*^。^*)

「排卵」をとめる

女性の体は、毎月卵巣で、卵子のもとになる細胞を育てています。

そして、大体月に1回「排卵」をしています。

 

▼「排卵」について 詳しく知りたい方はこちら

www.mwyogini-ranmaru.com

 

「排卵」によって、優秀な卵子が子宮へと向かうことで、卵子と精子が出会い、赤ちゃんの卵である受精卵ができて、妊娠できるわけですね(^^)

 

ピルは、この「排卵」をとめる作用があるので、避妊につながというわけです。

「子宮内膜」という膜が、分厚く育つのを防ぐ

妊娠するには、赤ちゃんの卵である受精卵が、子宮にしっかりくっつく必要があります。

いわゆる、「着床」ですね。

(いつかの保健の授業で教わったと思いますが、みなさん記憶にございますでしょうか( ̄▽ ̄))

 

この「子宮にくっつくこと」を助けるのが、子宮内膜です。子宮内膜は、文字通り「子宮の内側にある膜」のこと。

排卵が終わった後、女性の体は妊娠できるように、子宮内膜を分厚く分厚く育てていきます。

子宮内膜がふかふかに育つほど、受精卵は子宮にくっつきやすくなるんですね。

 

この子宮内膜が分厚く育つことを、ピルは邪魔する作用があるので、着床しにくい=避妊につながるというわけです。

 

余談ですが、

子宮内膜が分厚く育つことを邪魔する作用は、「生理痛の軽減」にもつながります。

 

生理のときの出血って、実はこのふかふかに育った子宮内膜がはがれたもの

よく生理の出血を見てみると、サラサラな血液じゃなくて、ちょっとゴロっとした塊ででてくるのが分かると思います。それが、「子宮内膜」です。

 

なので、子宮内膜が分厚く育てば育つほど、生理の出血は多くなり、生理痛は重くなります。

 

そのため、子宮内膜が分厚く育つことを邪魔するピルの作用は、

・生理痛の軽減にもつながり

・生理の出血量も減り

・生理の日数も減り

という、妊娠を望まない女性にとってはいいことづくめの効果があるんですね\(^o^)/

「子宮頸部にある粘膜」の性状を粘っこくする

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子宮頸部というのは、イラストのように膣のすぐ上にある子宮の入り口の部分です。

 

この子宮頸部の粘膜がねばっこいと、精子が膣から入ってきても、精子は子宮の奥までどんどん進んでいくのが難しくなります。ネバネバの粘膜に邪魔されるんですね。そのため、妊娠に必要な「精子と卵子が出会うこと」を邪魔します。

 

子宮頸部の粘膜ネバネバ作用は、精子の侵入を難しくするという意味で、避妊につながるというわけです。

おわりに

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3つのピルの作用

1「排卵」をとめる

2「子宮内膜」という子宮の内側の膜が、分厚く育つのを防ぐ

3「子宮頸部にある粘膜」の性状を粘っこくしてくれる

のおかげで、ピルは避妊としての効果を発揮することをお話しました*

 

みなさん、ピルの避妊の仕組みについて、なんとなく理解できたでしょうか(^^)

 

「今は妊娠を望まないから、避妊をしよう」と考えたとき、多くの方は「コンドーム」が第一選択かなと思います。

ピルは、コンドームと違って性感染症の予防はできませんが、「女性側が主体的に避妊できる」方法です(*^。^*)

また、コンドームの避妊成功率より、ピル内服の避妊成功率の方が高かったりします。

 

妊娠の不安なく、安心して性行為を楽しむために、多くの人が「ピル」という選択肢を知ったうえで決めて頂けたらなと思います(^^)