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【助産師解説】35歳に立ちはだかる壁【なぜ妊娠しにくい?】

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こんにちは、らんまるです*

女性の人生を豊かに!をテーマに

らんまるのお宝、知識と経験談を

日々シェアしています(*^。^*)

 

いま、かなり多くの人にとって

「一般ジョーシキ」となってきた

“女性の卵子の数には、限界がある”という事実

(=_=)!!!

 

現代では

「晩婚化とともに、不妊症が増えた!」

「不妊治療で、妊娠した!」

という声が増えてきていますが

 

”10人に1人が不妊症”といわれる現代。

 

そもそもなぜ

“不妊症”が増えたのか?

“不妊治療”で年齢の問題は解決するのか?

 

今回は

「いつか子どもがほしい!」と

考えている女性やカップルに知ってほしい

“卵子のタイムリミット”と“不妊治療の実態”

についてシェアしていきます(^^)/

不妊治療があるから、いまは高齢でも妊娠できる!?

不妊症ってなに?

不妊症とは

健康な男女が妊娠を希望し、

避妊しないで性生活を送っているにもかかわらず

1年以上妊娠しない

ことをいいます。

 

一般的に

避妊をせずに、性生活を送っていれば

1年で約9割

2年で約10割

妊娠するといわれています。

 

いま

10組に1組以上のカップルが不妊症といわれ

 

健康な夫婦の10%以上が

不妊に悩んでいるという現実があります。

不妊症の原因は?

「赤ちゃんがなかなかできない」

そう聞くと、昔なら

原因は女性にある!と考えられてきました。

(なんて理不尽な社会なんだ!!昔の女の人、生きにくすぎるぞ!!(=_=))

 

いま、そう考える人は

かなり少なくなったかな~と思います(ふぅ

 

実際のところ、不妊の原因はさまざま。

 

不妊の原因を持つ“男女の割合は同じ”

といわれていますし、

いくつかの原因が

こんがらがっていることもあります。

 

1番多い原因は

男性不妊だと「造精機能障害」

女性不妊だと「卵管性不妊」「排卵障害」

 

ざっくりいうと

・妊娠できる精子がつくられない

・卵子や精子や受精卵の通り道である“卵管”がふさがってたり、狭かったりする

・排卵がおきない

 

これ以外にも

本当にいろんな原因があり、

不妊治療では

この原因から探すことになります。

卵子の数は、どんどん減るだけ?

妊娠に必要な赤ちゃんの卵、

“受精卵”をつくるには

“女性の卵子”と“男性の精子”が必要ですね*

 

女性が産まれたとき、約200万個あった卵子は

初潮、つまり初めての生理を迎えるころには

約30万個まで減り

 

毎月の生理で、

数100~1,000個ずつ失われていきます。

 

一生分の卵子は

新しく作られることなく

毎月毎月、どんどん減る一方(*_*)‼

 

とくに、30代後半から40代で

卵子の数は急激に減少していきます。

 

「いやあ、そうはいってもさ、生理が終わる“閉経”は50歳くらいでしょ?」

「生理があるなら、卵子もあるでしょ?だったら、妊娠できるでしょ?」

と思うかもしれませんが・・・

ノーーーーーーーーォォ (+△+)!!

 

生理があるからといって

排卵しているとは限りません。

 

そして

卵子の数さえあれば、必ず妊娠できる

というわけではありません(*_*)

 

卵子があっても

その卵子がきちんと機能するかは、、、

年齢によるんです…!

卵子が老化すると、どうなる?

男性の精子は

精子のもととなる細胞を増やすことができ

何歳になっても精子をつくることができます*

 

それに比べて卵子は

卵子のもとになる細胞=自分の年齢

 

つまり

20歳で排卵した卵子=20年たった卵子

30歳で排卵した卵子=30年たった卵子

 

卵子も、年齢とともに年をとるわけです。

 

“卵子は老化する”という事実

さまざまなメディアでいわれるようになり

かなり認知度は高くなったかな、と思いますが

 

“卵子が老化する”ことが

いったい何を意味するか、というと

 

・排卵しても、妊娠しにくい卵子

・染色体異常をもつ卵子

が増えてしまうということ。

 

染色体異常をもった卵子は

精子と出会い受精卵になったとしても

育たない、子宮にくっつかない(着床しない)

着床しても流産してしまう

ということが多くなります。

 

年齢とともに

正常な妊娠をする可能性が低くなるという事実。

 

”晩婚化が増えていくことで、不妊症も増える”

背景には、卵子の数と老化が関係していたんですね。

いまは“体外受精”があるから、妊娠できるでしょ?

卵子と精子を体の外で受精させ

子宮内に戻す“体外受精”が

はじめて成功してから約40年。

 

成功当時は

「進歩した技術によって、

多くの不妊症カップルが救われるだろう」

と考えられてきました。

 

しかし

体外受精の症例で

年齢別にどれくらいの妊娠率なのか、というと

1回の肺移植で妊娠する可能性は

30歳以下で35%

40歳では、25%

45歳では、5%まで低下…という結果に。

 

しかも

その後の“初期流産率”についても

若い年齢だと10~15%なんですが

40歳以上だと40%超え

45歳になると約70%の高い確率になります。

 

35歳くらいを境に

妊娠率が、どんどん下がり

流産率が、どんどん上がる・・・

 

また

30歳での妊娠と45歳での妊娠を比べると

染色体異常になってしまうリスクは20倍以上に。

 

35歳以上の初産を

医療現場では“高齢出産”といい

年齢のリスクを考えての

妊娠・出産の管理をしていきますが

 

高齢で不妊治療にトライした場合、

「低い妊娠率」と

「高い流産率」「高い染色体異常率」

この3つの壁を超えなくてはなりません。

 

いまだ年齢リスクを乗り越えたとは

いいがたいんですね・・・

不妊治療がかかえる問題

体外受精や顕微授精は

実は、昔からある技術です*

 

研究段階ではどんどん進歩していて

近い将来

自分の好きなときに

自分の望むタイプの子どもを産む、という

SFのような世界が実現できそうなレベルまで

技術は進んできています。

 

けど

研究で可能な技術だからといって

全ての技術を医療に応用すると

倫理的にヤバイってことは

すんなりイメージできますよね(*_*)

 

また

人間に応用した際に

どこまで安全性が保たれるかも分かりません。

 

将来的には

若い間に卵子を凍結保存しておく“卵子凍結”や

“iPS細胞から卵子を作り出す技術”などで

年齢リスクを超えることができるかもしれません。

 

けど

高齢の妊娠では

“妊娠高血圧症候群”をはじめ

さまざまな合併症も増えるし

 

何よりも

不妊治療にはかなりお金がかかる(=_=)

 

生物学的に考えるなら

「やっぱり早い年齢で妊娠するのがベター」

という現実は、まだ変わらないようです。

おわりに

女性の生き方も多様化し、

仕事と妊娠の両立のため

「早く出産したくてもできない」という

状況も増えてきました。

 

だからこそ

 

生理的に

“妊娠適齢時期がある”ということ

“卵子の数には限りがある”ということを

 

中高生のうちから

積極的に知ってほしいな、と思います*

 

中高生のみんなァ!

受験に関係ない保健体育の授業でも

起きて~~~~!!!(切実に(:_;))

 

それでは今日はこのへんで

 

この記事が役に立ったぞーという、アナタ!

卵子の老化を考えての妊娠・出産の計画が大切

ということを

たくさんの人に知ってもらいたいので

シェアして応援してくれると嬉しいです(*^。^*)